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2009年3月

2009年3月27日 (金)

不況で精管切除を受ける男性が増加

昨年(2008年)の経済状況の悪化以来、米国での精管切除術(vacectomy)の件数が急激に増加しているという。育児にかかる費用のために子どもをもつことをあきらめる人が増えたことと、仕事があり健康保険を利用できるうちに処置を受けようとする人が増えたことの両方が原因となっていると考えられる。

米コーネル生殖医療研究所(ニューヨーク)のMarc Goldstein博士によると、昨年11月以降、精管切除術に関する相談が前年の同時期に比べて約48%増えているという。2008年の男性患者のほぼ50%が金融業に雇用されており、36%以上が9月以降の受診であったという。「株価が暴落したから精管切除術を受けたいと言ってくる人はいない。ほとんどの人は、以前から手術を検討しており、不況がその決断に影響したことや、子どもが私立学校に通っており、これ以上の余裕はないと言う人もいる」とGoldstein氏は述べている。

米ニューヨークプレスビテリアン病院/コロンビア大学メディカルセンターのHarry Fisch博士は、「育児の問題の悩みは金銭上の問題であることが多く、不況のときにはさらに子どもをもとうとしない傾向が高くなるのは当然のこと」と述べる。米クリーブランド・クリニックのStephen Jones博士によると、精管切除術はこの数カ月で75%増えているという。「保険が使えなくなることを懸念する人もいるが、先の見えない時代に新たに子どもを育てる決心がつかないという人が多いようだ」と同氏はいう。

米マイアミ大学医学部のCharles Lynne博士は、マイアミに本拠地を置くイースタン航空が倒産した1991年にも同じような傾向がみられたと振り返り、「イースタン航空は最大の雇用主の1つであり、当時従業員はまだ保険に入っていた」と述べている。

[2009年3月20日/HealthDayNews]
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社会的地位や健康の「格差」を是正したいのなら禁煙を

NHSスコットランドのLaurence Gruer氏らが、男性・女性それぞれの社会的地位と喫煙率が生存率にどのような影響をもたらすのか、イギリス・スコットランド地方で行った長期間にわたるコホート観察研究の結果が、BMJ誌2009年3月14日号(オンライン版2009年2月17日号)にて発表されている。編者によれば、これまでイギリスでは、1930年以前生まれの高齢のイギリス人男性医師に関する調査で、喫煙習慣がある人の生存率が大幅に低かったことや、また社会的地位が低い人々の間で、喫煙率の高さが健康格差の重大な一因であり、社会的地位と結びついていることなどが明らかにされていた。

喫煙群・非喫煙群を28年間追跡観察

本研究は、スコットランド中西部の2つの町、レンフルーとペイズリーで行われた。参加者は1972~1976年にかけて募集された45~64歳の女性8,353人と男性7,049人で、この年齢層の集団のほぼ80%をカバー。参加者は、性(男、女)、喫煙状態(喫煙中、過去に喫煙、非喫煙)、社会的地位(職業分類に基づき「クラスI+II」「クラスIII」のノンマニュアル層、「クラスIII」のマニュアル層、「クラスIV+V」)もしくは居住地カテゴリー(deprivation category)によって24集団に分けられた。

主要評価項目は、年齢と他のリスクファクターで補正した各群の相対死亡率とし、 28年時点のカプラン・マイアー生存曲線と生存率で表した。

社会的地位よりも喫煙の有無が生存率に影響

28年間の死亡は、女性では7,988人中4,387人、男性は6,967人中4,891人だった。

死亡率が最も低い「クラスI+IIの非喫煙女性群」と比較して、「喫煙群」の補正後相対死亡率は1.7(95%信頼区間:1.3~2.3)から4.2(3.3~5.5)までにわたった。「過去に喫煙群」の死亡率は、「非喫煙者群」よりも「喫煙者群」の死亡率と近似だった。

28年時点の年齢補正後生存率を、社会的地位が高い順に見ると、女性非喫煙者では65%、57%、53%、56%、女性喫煙者では41%、42%、33%、35%、男性非喫煙者では53%、47%、38%、36%、男性喫煙者では24%、24%、19%、18%だった。居住地カテゴリーによる解析からも同様の結果が得られたという。

これらから研究グループは、男女の性差や社会的地位にかかわらず、非喫煙者は喫煙者よりはるかに高い生存率を維持しているとともに、喫煙はそれ自体が社会的地位よりも大きな健康格差の原因であり、男性に対する女性の生存率の優位性をさえ無効にすると述べている。さらに、社会的地位の低い多くの喫煙者は、禁煙しない限り、地位・健康格差を是正する余地はないと結論づけている。

文献
Gruer L et al. Effect of tobacco smoking on survival of men and women by social position: a 28 year cohort study. BMJ. 2009 Feb 17;338:b480. doi: 10.1136/bmj.b480.

2009年3月18日 (水)

医療費抑制問題で意見わかれる

慶應義塾大学大学院の田中滋教授は、13日の日本医師会シンポジウムで、「医療崩壊を食い止めるには財源負担を前向きに考えることが重要」と主張した。医療費抑制政策が進んだ背景として、抑制策に対峙するポリティカル・パワーを構成できなかったことを挙げ、その理由に(1)医療機関が患者・住民と連携できなかった(2)医療側の改革提示力が弱い(3)財政論が貧弱―を指摘した。その上で、「財政論では、医療者側のエビデンスが低かった」と付け加えた。

これに対し、吉川洋東京大学大学院教授は「医療改革は、医療費を充実させるより、配分と診療報酬の中身の見直しが先」と財源が問題ではないとし、「医療の問題は診療科目の医師数の偏在、地域の医師不足などで、これらは医療費を充実させても起きる」との見解を述べた。

また、日医の唐澤祥人会長は、「医療現場は疲弊している。特に産科、小児科、救急に重点を置き、国民が安心できる医療提供を目指す」と、日医として積極的に社会保障の再構築に取り組む考えを表明した。

(記事提供:医療タイムス)

2009年3月16日 (月)

新世代抗うつ薬の有効性を検証

新世代抗うつ薬12種類の有効性と受容性について、ベローナ大学(イタリア)Andrea Cipriani氏らが、複数の無作為化試験結果のメタ解析を行った(別名:混合治療比較メタ解析、ネットワークメタ解析)。ここ20年で登場したうつ病の新薬は構造やメカニズムが似通っており、またいわゆるジェネリック薬も多く、どれほど違いがあるのかが不明とされていた。解析結果は、Lancet誌2009年2月28日号(オンライン版2009年1月29日号)に掲載された。

参加者総数25,928人の117の無作為化試験を系統的にチェック

対象となった抗うつ薬は、bupropion、citalopram、duloxetine、escitalopram、フルオキセチン(商品名:プロザック)、フルボキサミン(同:デプロメール、ルボックス)、ミルナシプラン(同:トレドミン)、mirtazapine、パロキセチン(同:パキシル)、reboxetine、セルトラリン(同:ジェイゾロフト)、venlafaxine。

1991年から2007年11月30日の間の、117の無作為化試験(参加者総数25,928人)を系統的にチェックし、急性の単極性成人うつ病に対する有効性を比較した。主要評価項目は、割り当てられた治療への反応率および脱落率とし、全例解析が行われた。

有効性と受容性はセルトラリンとescitalopramが高い、一方最も低いのはreboxetine

duloxetineとの比較で、mirtazapine(オッズ比:1.39)、escitalopram(1.33)、venlafaxine(1.30)、sertraline(1.27)は、有効性が有意に上回っていた。

フルオキセチンとの比較ではそれぞれ、mirtazapine(オッズ比:1.37)、escitalopram(1.32)、venlafaxine(1.28)、sertraline(1.25)。

フルボキサミンとの比較では、mirtazapine(オッズ比:1.41)、escitalopram(1.35)、venlafaxine(1.30)、sertraline(1.27)。

パロキセチンとの比較では、mirtazapine(オッズ比:1.35)、escitalopram(1.30)、venlafaxine(1.27)、sertraline(1.22)。

reboxetineとの比較では、mirtazapine(オッズ比:2.03)、escitalopram(1.95)、venlafaxine(1.89)、sertraline(1.85)だった。

reboxetineは、他のどの抗うつ薬よりも有意に有効性が劣っていた。またescitalopramとセルトラリンは受容性の面で最も高く、duloxetine、フルボキサミン、パロキセチン、reboxetineとvenlafaxineは、脱落率が有意に少なかった。

これらからCipriani氏は「有効性と受容性に関してescitalopramとセルトラリンを支持する。臨床的に重要な違いが抗うつ薬の間に存在している。成人で中等度から重度の主要なうつ病治療を開始する際は、セルトラリンが最高の選択薬のようだ。有効性、受容性および価格の面で、とてもよくバランスがとれているからである」と結論している。

介護福祉士の養成はこれですすむのか?

厚生労働省は、介護分野の人材不足解消を図ることを目的に、介護福祉士養成コースを設け、4月から全国で約3500人の介護福祉士を養成する。養成コースは、求職者を対象に、介護福祉士の資格取得を目指した2年間の職業訓練。教材費などの実費以外、受講料などは無料。

養成コース実施は、雇用状況が厳しい中で、派遣労働者などの非正規労働者の雇用場確保と、人材不足が深刻な介護分野の担い手となる人材育成の「一石二鳥」を狙った新たな施策。雇用保険の受給資格がない人でも、事業主都合で離職した場合は「技能者育成資金制度」を利用すれば、訓練中の2年間、月額10万円(扶養家族がある人は12万円)の貸付が受けられる。国は「職業訓練中の生活保障給付制度」を設け、2009年度は、約13億円を予算化している。

(記事提供:医療タイムス)

2009年3月10日 (火)

男性の脳卒中リスクは40代半ばに急上昇

男性の脳卒中発症オッズ(odds)は40代半ばで急上昇し、この早期の脳卒中に関連するリスクファクター(危険因子)は高齢者で見られるものと同じであることが、新しい研究によって明らかにされた。また、明確な症状はないが、後遺症の原因ともなる “無症候性脳卒中(silent stroke)”も若年層の男性に多くみられるという。

フィンランド、ヘルシンキ大学中央病院のJukka Putaala博士らは、1994~2007年に血管閉塞による虚血性脳卒中で入院した15~49歳の患者1,000人以上を研究対象とした。研究の結果、予想通り脳卒中の発症率は加齢とともに劇的に上昇。女性では30歳未満のほうが高かったが、男性では44歳あたりから上昇していた。脳卒中患者の60%に高コレステロール、44%に喫煙習慣、39%に高血圧が認められた。

Putaala氏は「これらの危険因子の多くは修正可能であるため、積極的な一次予防の戦略を立てる必要がある。介入の最適な標的となるのは特に男性では35~44歳のグループであろう。また、このような“サブクリニカル(特別な検査をすれば判明するが疾患自体は徴候や症状を示さない)”な脳卒中は、高齢での認知機能低下と同様、後年の脳卒中リスクの上昇に関連するため、若年男性における現象(phenomenon)を十分に調査する必要がある」と述べている。

米テキサスA&M健康科学センター医学部(College Station)助教授のMichael Palm博士は「危険因子となるのは、コレステロールや喫煙、高血圧、糖尿病など高齢者で考慮されるものがほとんどであり、したがって、これらの要因に対する若年時からの取り組みが必要である」としている。

米レノックスヒルLenox Hill病院(ニューヨーク)のRoger Bonomo博士は「一般的に、若年者の脳卒中は高齢者の場合と原因が異なると理解されているが、今回の研究で、40代の男性の危険因子が高齢者と同様であることが明らかにされた」とする一方で、研究がフィンランドの特定集団で行われたものであり、他の集団では異なる可能性があることを指摘している。研究結果は、米医学誌「Stroke(脳卒中)」オンライン版に2月26日掲載された。

[2009年2月26日/HealthDayNews]
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2009年3月 2日 (月)

いいなあ公務員は給与据え置きで

政府は13日、2008年度の国家公務員一般職の給与について、月給と期末・勤勉手当(ボーナス)を据え置くよう求めた人事院勧告を完全実施する方針を固めた。

 14日の給与関係閣僚会議と閣議で決定する。勧告にはこのほか、〈1〉09年度から、1日の勤務時間を現行の8時間から7時間45分に短縮する〈2〉国の医療機関の勤務医の年間給与を、09年度から平均で約11%引き上げる――などが盛り込まれている。

(2008年11月14日  読売新聞)
民間はトヨタショックでマイナスだというご時勢、公務員は現状維持できるんだ。まあ、頑張って勉強して公務員試験受かったんだもんね。でも、議員や首長が給与カットを行っている自治体は決して少なくない。なぜに、一回試験通っただけで、ずっと安定なのかね。地域経済を反映して柔軟に対応すべきと思うなあ。

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